~蚊帳の意外な使われ方があるんです~
1年に数回、この時期になると求められる商品があります。
「蚊帳(カヤ)」です。
「蚊帳は置いてないですか?」
と聞かれたとき、「ああ~。もうそんな時期になったか。」と思ってしまいます。
そして、そのご質問に対する私の答えも、ほぼ決まっています。
「とうとう出ましたか・・・。ムカデが・・・。」と。
私の店「浦上ふとん店」は、広島県福山市駅家というところにあるのですが、市街地から少し離れたところにあります。
まだ少し田圃・畑がポツポツと残っている住宅街・商業地といったところです。
そんなところでも出るのです。「ムカデ」が!
実のところ、私自身はムカデに出会ったことはないのですが、どうも出るらしいのです。
もう想像しただけで、寒気がします。足がたくさんあってウネウネ動くということだけで気持ちが悪いのに、刺すという暴挙にもでる。しかも、それが尋常じゃなく痛い。
できれば、一生出会いたくない生物ですが、ムカデからすると人間の都合は関係ないとばかりに、どこにでも出現します。
我々商人の使命は、「お客様の痛みの解消」にあると考えていますので、そういうときこそメラメラと燃えてきます。
「ムカデが怖くて眠れない」というお客様には、「蚊帳」をご提案しています。
ムカデ対策
私は、「ふとん」のプロで、ムカデ(虫)の専門家でないので、ムカデ対策を語れないのですが、一応調べてみると次のような対策があるとのことです。
〇家の周りをきれいにし、ムカデ用殺虫剤をまいておくこおと
〇床下換気扇を使用すること
〇エサになるような昆虫を寄せ付けないようにすること
〇隙間がある箇所にテープを張ること 等々
しかしです。この対策をしても、入ってくるものは入ってきます。そもそも、家の周りすべてに殺虫剤をまくには、かなりの量が必要だし、お子さんがいる家庭では心配です。また、エサになるような昆虫を寄せ付けないというのは、そもそもムカデ対策をするよりも困難な道であるような気がします。
隙間もきりがない。
この対策をするのも重要ですが、最初にやらないといけないのは、なんといっても睡眠中の安全確保だと思います。
気持ち悪いといっても、起きていれば、殺虫スプレーをするとか対処ができるからです。
ですが、寝ているとできない。
お客さんの中でもいらっしゃいます。「寝ているときに刺された」と・・・。
まずは、防御を固めて攻撃する
「攻撃は最大の防御なり」というのは、ある意味当たっていると思います。
でも、それは、攻撃対象が「ここにいる」と分かっている場合です。
ムカデという敵は、そもそもどこにいるのかわからない・・・。
その場合、まずやらなければならないこと、それは「防御」を固め、安心できる環境を作ってから攻撃に転じることだと思います。
「ムカデ」が不安で眠れず、そもそも弱った体では敵に勝てないからです。
「ムカデ」の最大の防御は、「ふとん・ベッド」に入ってこれないようにすること。
「ふとん・ベッド」を囲うのに最適な道具、それが「蚊帳」になります。
蚊帳も進化している!
蚊帳の昔のイメージは、網みたいなのを天井から吊るしているイメージではないでしょうか。
そして、その網をくぐって入るみないな。
しかし、最近の蚊帳は違います。もっといえば、ムカデ対策用の蚊帳も存在しています。*ムカデ対策用の蚊帳は、もはや蚊帳といわないような気がしますが・・・。
一番の違いは、「床にも網がある」ということです。
じゃ、どこから入るのかということですが、ようは、テントのようになっています。チャックが付いていてそこを開け閉めすることで中に入ります。
床にも網があるので、地面を張ってくるムカデも入れないというわけです。
それだけでなく、素材の進化で、通気性も考えてつくられているので、快適に過ごせます。
本当に現代の蚊帳を見るたびに、「痛みを解消しよう」とする商人魂には感服いたします。
「お客様にこんな不安がある、じゃ私が開発しよう!」というわけです。
その、商人魂はさらに燃えていきます。
「インテリアにも耐えられる蚊帳」の誕生です。
家でちょっとしたアウトドア気分を味わえるものまで誕生しています。
ここまで来たら、もう表彰ものだと思います。
すでに、「蚊帳」というのは商品に失礼で、「ムカデ帳」?といってもいいと思います。
イヤ、「ムカデ帳」では気持ちが悪い・・・。ネーミングセンスのなさを恨む今日この頃です・・・。
浦上ふとん店では、様々なニーズの御提案をしています。